2019年2月26日火曜日

モモ



大好きな本が増えた。モモ。ずっと読もう読もうと思いながら後回しに違うもの読んでたんだけど、一昨日急に「モモ読まなきゃ!」となって一気に読んだ。そしてやっぱり今読んで正解だった。

好きな本の一番は絶対不動の聖書なんだけど、モモはその聖書をファンタジックで児童向けに噛み砕いたような内容で尚且つ切り口が"時間"。 今だからこそもっとよくわかる、時間の大切さ。それも合理的な意味での大切さではなく、余白や一見無駄と思えるような時間を大切にするという意味の大切さ。究極はやっぱりバランスで、どちらも大事なんだけど。

何かことを成すためにあれを削ってこれも削って、とかって一理あるし、何も目指すことがなくても本当に削った方が良い時間や物事もあるけど、その中でも大切な人たちと過ごす時間や孤独になって休んだり思考する時間を削ったりし"過ぎる"というのは悪魔に魂を売るようなもの。

何故なら時間=命だから。ということを、現代の自己啓発・成功哲学などというものの推奨する"時間の使い方"をぶった切るように、リアリティを持って警告をし実感させてくれるのがモモ。

例えば成功や自己実現に拘る人は特にだけど、別に成功を目指してなくたって日本のような社会で育ち働くと、自分に対しても人に対してもモラルやマナー、クオリティに対して高いところを求めるようになりやすくなるし時間を惜しむようになる。

確かにそれらが満たされていればいるほど素晴らしく良い仕事ができるかもしれない。せっかく人間として生まれたんだから人間のできる最善を目指したいだとか、それ自体はすごく良いこと。

でもそれが行き過ぎると自分がうまくいってるときには驕りを持つし、自分や人が失敗したとき・勝手に設定した合格点に到達していないときなどに、"簡単に人を裁く"ようになる。

又自分の時間の隅から隅までに値段をつけるなどし、人を急かし自分を追い込み、ひたすらに合理主義で全ての物事を考えるようになる。

そうすると常日頃から冷徹な感情がその人を支配し、うまくいかなくなったときには怒りがその人を支配するようになる。

そして上記と同じようなことだけど、富、名声、才能、美貌、知識、技術、地位、権力があればあるほど良い・人間としての価値があるなどというだけの思考になるとそれらを持つ者は高慢になり人を見下すようになるし、持たざる者は自分より上を見つけ劣等感だらけの卑屈者になるし、嫉妬したり時に足を引っ張ったりするようにもなる。

又それぞれが表面的な損得勘定ばかりで友人やパートナーなどを選ぶようになる、そうすると利害関係が無くなった時点でその関係は破滅する場合が殆ど。

果たして何が本当に大切なことなのか?今この世界にある価値観によって生まれる"犠牲"は本当に必要なものなのか?何もかも持っているように見える彼らは本当に幸せなのか?どうしたら人は本当の意味で豊かな人生を送れるのか?

もう、答えは明らかでしょう。と思う人々が多々の中で、何故未だ社会のほぼ全般はこうなのか?

モモもそうだし、他に挙げた本も、結局はそういったところについて語ってるという意味で共通してるように思うし、だから好きでこれからも何度でも読み返したい。

富、名声、才能、美貌、知識、技術、地位、権力、成功、ひとかどの者になること

など、それら自体に罪はない。それらは事実と結果であり、捉えようと使いようで、使いようによっては世の中に対して大きな益となり人々を幸福に導くような素晴らしい手段になり得る。けど、今日(こんにち)の世界ではなかなかそれらが愛の方向に向かない。向いても九十百九で迫害が起きる。

例えば"最初は愛故に成功を目指していた会社が富や名声の誘惑に負けて〜"などというのはよくある話。それは既に社会自体が長年のシステムに縛られ過ぎてるし、それに縛られてきた人々の頭心も縛られてるから。朱に交わるものは簡単に赤くなるから、そういう意味での選び、どこに身を置くかは大事。

そして世界を愛の方向に向かせるには一人一人が、戦わなくてはならない。それは実際のところ他の人との戦いではなく、気付かずうちに擦り込まれた常識という名の間違った(不幸な)価値観・考え方、そこから派生している色々な誘惑、世の中では良い・便利とされているけど実は罠のようなもの、自分の中にあるエゴ・欲望といった類のものとの戦い。

わたしは、持つもの・持たざるもの(この言い方も好きじゃないけど、この世界のありのままを表す&文章として伝え易くするために敢えて皮肉気味に!使用してます)、どちらにとっても、誰にもとっても真の意味で幸福な社会になって欲しい。自分もそのための働きの内の歯車になりたい、なる。と思ってる時点で小さなそれにはなれているのだと思う。 
いつも進展が僅かだとしてもこれからも信仰と共に自分の器とペースで出来ることを一生懸命にやっていきます。

と、モモの言わんとすることをわたしなりの言葉で書いてみましたが、何よりこの本自体を読んでもらいたい〜。読んだことのない方は是非!

受講してたイノベーションスクールの広告に〜!@ウィーン

 昨年ウィーンで実際に受講していたイノベーションスクールの広告モデルをしました。 ドライブ中あちこちに見かける・・・笑 パンフレットとウェブサイト上にもちゃっかりと。